今週土曜、2月17日の様々なアニメーション手法ワークショップに向けて、講師の島村達雄さんとの打ち合わせ内容を少し公開させていただけることとなりました。
「たとえば、こんなことを話してみたらどうかな?」とかかれたのが下のメモ。実際どんな話になるかはお楽しみに…。
さらに、当日は白組の方々も一緒に、スペシャルメイクアップの実演も見せてくださるそうです!
どんなワークショップになるのか、待ち遠しい限りですね。
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現在、自分自身が直面しているアニメーションに関する諸問題
1.アニメーションの定義
DI(デジタル・インターメディエット)とポストプロダクション
(実写映像を1コマ単位で画像処理)
リアルタイムレンダリングとインタラクティブコンテンツ
モーションキャプチャー
物理シュミレーション、モーションダイナミクス
2.メディアミックスの時代
映画、テレビ、パッケージ、web、携帯、展示、ゲーム
3.ITイノベーションと映像関連技術
作品別ホームページでの制作管理
ネットワークレンダリング
データサーバーとバックアップシステム
4.グローバル化が進む市場主義経済下のアニメーション制作
制作、配給、興行、放映、配信、販売、ライセンス、
資金調達と利益還元(制作委員会、コンテンツファンド、SPC、)
制作現場(下請け構造)の疲弊、海外移転
5.集団性制作とプロダクション経営
150の個性と300の「ひとみ」。
チームワークに始まりチームワークに終わる
学校教育と社員教育の決定的な違い
労働集約型産業と法令順守
装置産業化が進む設備投資の重圧
6.歴史に学ぶ
作品は誰れのために、何の目的で作られる
依頼主-製作者-観客 の相関関係を考える
①アレクサンドロス大王、古代ローマ皇帝、カトリック教皇、メディチ家、ルイ14世、ハップスブルグ家、フランス革命、へと続く、イギリスの産業革命以前までのヨーロッパ・地中海地域・3000年の歴史にみる、美術・音楽の庇護者・発注者と受け手の相関関係
発注側=皇帝、国王、法王、豪商、、商工業者、資産家
受け手側=支配地域の有力者、王侯貴族、他国の使節団、商売の取引相手、上位の信者、上流階級
②ヨーロッパ19世紀
ファイン・アートの誕生と国民国家の時代
国立劇場、国立美術館、国立美術学校、国立音楽学校
画商、画廊、コンサートホール、放送局、市立交響楽団、
美術印刷、レコード
③20世紀アメリカ・ヨーロッパ
ニューヨーク近代美術館の誕生(1930年代)
絵画の破壊と前衛美術、実験映画、工業デザイン、商業デザイン
モダンジャズ・ロック・ヒッピー・サイケデリックアート・ベトナム戦争・反体制運動(1960年代)
フランス・ポンピドゥーセンターの誕生(1970年代)
写真、映画、メディアアート
ベネチア ヴィエンナーレ、カンヌ映画祭、アカデミー賞、アヌシー、
(新しい権威主義)
7.創作についての哲学
アートアニメーションとは何か。
カナダNFBと社会主義国家体制下のアニメーションスタジオの成果
<個人的な視点>
商業作品では表現できない領域。
誰のために作るか。誰のためでもない自分自身の内なる欲求。
50歳を過ぎて、どうしても作りたいもの(世界)が見え始めた。
「見えた」といっても具体的な道程や目的地ではなく、はるか遠方に姿を現した未登頂の山の頂のようなものに過ぎない。地図を作り、橋をかけ、トンネルを掘って進むしかない。年齢を考えずに目標を高く設定しているために、登頂に成功する確率は少ない。それでも近くて低い山では意味が無いのだから仕方が無い。
現世で認めてもらいたいと思わなくなる心境。
後世の厳しい評価を意識することによる「緊張感」。際限なく手を加えたくなる心理。
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たくさんのキーワードから、みなさんはどんなお話を想像しましたか?
長年、様々な角度からアニメーションに関わり続けてきた島村さんならではの、とても濃い内容となりそうですね。
定員にはまだ若干空きがあります。
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