1月29日に行われた池田憲章の特撮研究の様子をお伝えします。
執筆者が風邪に倒れたため、だいぶ日にちが空いてしまい、申し訳ありません。
第七回のテーマは
映画史上の傑作10本とTV10作品(後編)
前編では、映画のトータルデザインを行う
プロダクションデザインの大切さに触れました。
今回は以下の3点の視点からプロダクションデザインにさらに迫りました。
■007シリーズ タイトルデザインに見るプロダクションデザイン
■本編と同化し“恐怖”を演出する特撮―ヒッチコック作品から
■『風と共に去りぬ』に見るカラー映画の始まり
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■『007 ゴールドフィンガー』『007 ドクター・ノオ』
『007 ゴールドフィンガー』は、タイトルデザインのひとつの到達点ともいえる。007シリーズは作品ごとに異なる監督がついているにも関わらず、統一した雰囲気がある。それは、監督は替わってもケン・アダムスという一人のプロダクション・マネージャーがついているからだ。特に、統一されたタイトルデザインがその根幹を支えているといえる。
■『めまい』『サイコ』『白い恐怖』
ヒッチコック作品のタイトルデザインもまた、プロダクションデザインの決め手のひとつ。
またヒッチコック作品で特筆すべきことは、本編の演出手段として特撮が用いられているということだ。『めまい』では、高所恐怖症の主人公が感じる高さへの恐怖を、特撮によって表現している。『白い恐怖』では、ラストへの伏線として散りばめられた白への恐怖の表現に、特撮が用いられている。
■『風と共に去りぬ』
カラー映画の初期作品。特撮映画ではないが、実は特撮技術が随所に使われている。炎をより鮮やかに見せるために特殊な物質を入れたり、高精度のカラー合成を作り出した、カラー映画という新しい技術に威力的に取り組んだ作品。
今回の傑作10本は、純粋には特撮映画と呼べないもの。しかし、それらの根幹のイメージは特撮によるビジュアルシーンが支えられている。
そのほか、冒頭では、『フランケンシュタイン』の稲光を担当し、Mr.ELECTRICとも呼ばれたKenneth Strickfedenと、特撮には欠かせないミニチュア技術について話されました。
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続く第八回は2月12日に行われた
映画的な特撮の考察10本です。
風邪に倒れた私に代わってスタッフHがお送りする予定です。