カテゴリ:★池田憲章の特撮研究( 15 )
第九回 池田憲章の特撮研究
11月22日(水)、第9回池田憲章の特撮研究がザムザ阿佐谷にて開催されました。
(こちらは只今開催中の第7回ラピュタアニメーションフェスティバル2006のイベントの一貫として行われたものです。特撮研究は、11/13に第4回、11/22に第9回、11/27に第5回と続きます)

この日のテーマは 「人形アニメの宇宙」
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アニメーションフェスティバルの開催と合わせ、ザムザ阿佐谷にも多くの方がお越しくださりました。
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会場にはEPSONさんのご協力により巨大なスクリーンが張られました。大きなスクリーンで見ると、より作品の良さが伝わってきますね。
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さあ、本日もたっぷりと池田節をお聞かせ願いましょう!

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by smallschool | 2006-11-22 12:24 | ★池田憲章の特撮研究
第四回 池田憲章の特撮研究
11月13日に行われた第四回池田憲章の特撮研究の様子をお伝えします。

第四回のテーマは 特撮の映像快感フィールド

映像快感フィールドとはいかなものなのか?
今回は過去3回の講座からは少し違った角度から特撮に迫りました。

MEMO・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
映像の快感フィールドをいかに切り開くか?がこれからの特撮の命題である。

1.映像快感フィールドとは?
●現実を超えた現実、超リアルの世界
『風の谷のナウシカ』のパージが墜落する場面、『隣のトトロ』の雨の様子などは、実写を超えたリアルな場面である。現実をありのままに描くのではなく、誇張を加えるのは、アニメーションでは重要なことであり、CGや特撮を作るにあたっても学ぶべき部分が多々あるだろう。

●人間の生理的リズムに基づいている
アメリカ、イギリスのTVドラマのオープニング映像(アニメーション)の美しさ、メリハリは音楽との素晴らしいマッチングに基づくものである。映画は、それぞれの監督がもっているリズムが反映されるものではあるが、快感を感じる画面作りに共通して言えることは、人間が生理的に“気持ちいい”と思えるリズムを刻んでいるということ。

●心理描写に基づく超リアル
『キング・コング』には大きさに統一感がないという評価もあるが、各場面ごとに心理に基づいた大きさに見えるよう作為的に変化させている作品である。現実の大きさを忠実に守っただけでは、画面に心理は浮き出てこない。CGを使う人はこの点を特に注意すべきである。

●奥行きを演出する画面構成
『キング・コング』のマルチ構造がつくり出すような、奥行きのある空間は快感を呼び起こす。現実には存在しない世界だが、現実を超えた超リアルな空間となっている。

2.作家の頭の中だけにあった世界
映像快感フィールドの世界は、作家の頭の中でのみ存在する現実にはない世界。現実をこえるリアルを映し出せるのは、現実をつぶさに観察し、昇華したものが再現されているから。

3.客が育たなければ、作家は育たない
客の評価が映画を育てる。質のいい客が増えれば、映画も同時に向上していくはずだ。

4.CGの可能性
特撮の独自性を軸に考え直すと、CGはもっと映画を開放する術になるかもしれない。
特撮だけで充分映画の価値のあるものが作れるはず。

配付資料
e0095939_1419884.jpg■FINMFAX PLUS [KING KONG:A Comprative Cine-Anatomy p42.43.52.53.80.81.126.127]


e0095939_14195254.jpg■STARLOG [OCTOVER1979 NUNBER27 P64.65.68.69]

過去3回が「特撮はいかにして現実世界を目指すか?」というテーマだったものに対して今回は「現実を超えた現実こそが“リアル”である」という視点に立ちました。次回第五回は11月27日(月)、年内最後の講座となります。テーマは「特撮の限界を見つめて」。入門篇の最後となる回、どのような内容になるのかとても楽しみです。


そして変則になりますが、11月22日(水)には第九回池田憲章の特撮研究「人形アニメの宇宙」があります。こちらは只今開催中の第七回ラピュタアニメーションフェスティバルのの一貫として、ザムザ阿佐谷にて開催されます。飛び入り参加もお待ちしてます!
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by smallschool | 2006-11-13 11:54 | ★池田憲章の特撮研究
第三回 池田憲章の特撮研究
10月30日に行われた第三回池田憲章の特撮研究の様子をお伝えします。

第三回のテーマは 「ドラマを支える特撮」
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この日、地下劇場に入ったばかりの120インチスクリーンを使っての講座となりました。

MEMO・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.『サンダーバード』が日本へ与えた影響
『サンダーバード』は若いスタッフ達の挑戦であり、ドラマを支える特撮が主役となった作品である。その精巧な特撮技術は、円谷英二をはじめ日本の特撮界に大きな衝撃を与えた。

2.『007』の時代背景
BBCのラジオドラマから生まれた『007』が上映された時代とは、戦争が終わって自由な身分の科学者や技術者が世にあふれ出した頃であり、様々な新技術・新製品が開発された時代である。
怪獣大戦争の光線もキャバレーのネオンサインからヒントを得て作られたように、時代の流れと特撮技術の進歩は常に密接な関係がある。

3.人間の視点を意識した構図
合成に気付かないようなマットアートとは、誰かしらの視点を通して描かれているものである。反対に、不自然なものとは、絵がちゃんと作られているにも関わらず、客観的な絵葉書のような視点になってしまっている。
奥行きのある構図を作るのは簡単だが、本当に奥行きのある画面をつくるのはたやすいことではない。
ずっと平面の世界で戦ってきたアニメーションには、擬似立体の表現として学ぶべき部分があるだろう。『ハイジ』の製作に際し高畑勲、宮崎駿らがスイスまでロケハンに訪れたことは有名な話。しっかりした観察に基づいたものにのみ、リアリティーは生まれるのだ。

4.編集の力
編集の段階になって初めて気づくものがある。絵コンテをなぞっただけの編集では意味がない。コンテに書き込まれた“印象”を再現しなければ。


配布資料
■NHK新聞 [昭和34年12月13日]
■東宝スタジオ・メール [NO.708 東宝撮影宣伝課発行]
■出典不明プリント [THE Starburst Interview DEREK MEDDINGS]

e0095939_02691.jpg■STARLOG THE SCIENCE FICTION UNIVERSE THE FLY [MARCH #140 STARLOG PRESS]

e0095939_033960.jpg■CENTURY21 [NO.7 WINTER 1991]

e0095939_042851.jpg■FILMFAX PLUS

e0095939_05768.jpg■STARLOG [#139 FEBRUARY 1989]


次回第4回は11月13日(月)、テーマは「特撮の映像快感フィールド」。同じくアート・アニメーションのちいさな学校地下劇場にて行われます。

また、11月12日(日)から開催される第7回ラピュタアニメーションフェスティバル2006の一環として、第6回特撮研究「人形アニメの宇宙」がザムザ阿佐谷にて行われます。特撮と人形アニメーションの深〜い関係について迫ります。
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by smallschool | 2006-11-07 23:43 | ★池田憲章の特撮研究
第二回 池田憲章の特撮研究
10月16日(月)完成直後の地下劇場にて開校記念講座第二回池田憲章の特撮研究が行われました。

第二回のテーマは 映画と特殊効果
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MEMO・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.特殊効果は文芸映画の画面作りにも欠かせない

2.失敗から新しい技法が生まれることもある
またブルーバックのように失敗を繰り返しながら進化してきた技法もある。

3.監督のイメージの重要性
ヒッチコックの映画は絵コンテと仕上がりの画面にほとんど差異がない。
構図作りのセンスは絵コンテの段階で決まっている。そして監督のアイディア、要求が特撮を進化させてもいる。

優れた監督は、特撮を使わずに展開によってあたかも特撮のようなカットを作りだしてしまうことも可能である。監督の指示からいかにして画面を取り戻すか?が今後の特撮班の課題でもある。

4.テレビの登場
テレビ誕生の頃の制作者は映画制作者の息子世代。若さ溢れるテレビの世界では映画にはない切り口が生まれ、特撮にも新たな道が切り開かれた。サンダーバードの制作者たち(かつての若者)は、現在の映画技術の第一人者となっている。

5.デジタル手法の原点
まず素材を作りそれを合成する、という特殊効果の作業行程は現代のデジタル技術の手順のお手本となっている。フィルムから学ぶべきことがデジタルにはたくさんある。

6.映画音楽について
音が映画にはたす役割は極めて大きいが、音楽はあくまでも効果音楽であるべき。音楽は決して画面をくってはいけない。


配付資料/参考文献(左から)
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■FILMFAX PLUS [2006 Juil/Sept NO.111 Publisher&Senior Editor Michael Stein]
■映画テレビ技術 1978 3月 NO.307 [社団法人 日本映画テレビ技術協会]
■映画テレビ技術 1978 7月 NO.311 [社団法人 日本映画テレビ技術協会]
■VERTIGO THE MAKING OF A HITCHCOCK CLASSIC [Dan Auiler ST. MARTIN'S GRIFFIN 1998]
■HITCHCOCK'S NOTEBOOKS [Dan Aulier HerperEntertainment 1999]


まだまだ始まったばかりの講座ですが、池田さんと受講者の方々との距離が近づいてきているのを感じました。これからの一年が楽しみです。
次回10月30日(月)のテーマは「ドラマを支える特撮」
同じくアート・アニメーションのちいさな学校地下劇場にて開催予定です。
飛び入り参加もお待ちしております!
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by smallschool | 2006-10-16 23:28 | ★池田憲章の特撮研究
第一回 池田憲章の特撮研究
開校記念講座のひとつ、池田憲章の特撮研究
その第一回が10月4日(月)19時~、ザムザ阿佐谷にて開かれました。

参考上映をはさみつつの3時間。
テーマ 特撮とは何か?
についてたっぷりとお話しいただきました。
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MEMO・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.特撮が生まれた理由・特撮研究の意義
特撮をやるために特撮映画が生まれたわけではない。
日本の映画研究は人間ドラマが第一だが、ドラマチックにさせるためのエフェクト、撮影技術をみる目も養わなければならない。

2.映画技術の発展と時代背景
・ミニチュア制作と特許法、軍事・航空関係。プラスチックと家電ブーム、合成樹脂と建築ブームなど…時代の流れとともに発展してきた技術がある。
・機材が画面をつくる、ということがある。新たな機材の誕生が映画技術を前進させてきた。
・よく「東宝特撮」というが、東宝だけではない。東宝を支えた会社がたくさんあることを忘れてはならない。

3.技法には必ず生みの親がいる
様々な技法が監督の要求によって生まれてきた。「あの画面をつくった人がいる」ということ。なかなか世には出てこないが、日本映画のメイキングはまだまだ面白い話が沢山ある。

4.デジタル技術の行方
今のデジタルの肌触りとドラマの粒状がどう調和できるのか-あと4、5年は試行錯誤が続くだろう-その解答はデジタルではない人間の生理的なところからやっていくしかない。それがこの講座の課題でもある。
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終了後も各々池田さんに質問したり、資料を見せていただいたり。
予定の2時間半を大幅に超えたものの、無事第一回を終えることができました。

次回第2回「映画と特殊効果」は
10月16日(月)19時~21時半
アート・アニメーションのちいさな学校地下劇場にて開催予定です。
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只今工事中の地下劇場 完成は間近です

特撮を知ることは、演出そのものを知ることにもつながります。
それはアニメーションを制作していく上でもとても重要なことといえますね。
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by smallschool | 2006-10-04 21:52 | ★池田憲章の特撮研究


2007年4月開校までの道のりをつづっていきます。

【アート・アニメーションのちいさな学校HP】

↓開校してからの学校日記です↓
【アート・アニメーションのちいさな学校だより】
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