2006年 11月 27日 ( 1 )
第五回 池田憲章の特撮研究
11月27日(月)アート・アニメーションの地下劇場で行われた第五回池田憲章の特撮研究の様子をお伝えします。

第五回のテーマは 特撮の限界を見つめて

MEMO・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.限界を知ることで限界は越えられる
まず手持ちのカードを知ること。現状の技術でどこまでの表現が可能かを判っていなければ、新しい画面作りは生まれない。
たとえば、
・炎の性質、炎を操る技術の限界を知っている
 →地面をなめる炎を撮るには、上へ向って燃え上がる炎を逆さに撮影すればよい(円谷英二)
・ブルーバックでは青みをもつ被写体も一緒に抜けてしまう
 →オレンジバックで撮影すればよい
・セットだとホリゾントの高さが限られ、通常のカメラ位置からうつせる“あおり”に限界がある
 →地面に穴を掘ってホリゾントをみえなくして、“あおり”画面を作る(大映)
...etc

2.素晴らしい!とうならせる連続カット
編集は、演出の限界を越えていく非常に有効な手段。イギリスやアメリカのテレビドラマのオープニング、エンディングのカットワークはすばらしい!連続カットで魅せるというのは、1カットにつめこみすぎる傾向のなかで、まれ。設計力、意味づけの力が問われる。すぐれたカットは映像だけで成立できる。台詞はいらない。

3.オールロケーションはTVからはじまった
それまでの常識を一気に撃ち破ってしまうような新しい波が現れることがある。その裏では必ずなにかがおこっている。そのような分岐点に素早く気付けるような肥えた眼で作品と向き合うことが必要だ。そうしなければ、特撮はただ技術を見せつけるだけの技術となり、何の感動を生み出さなくなってしまうだろう。

4.ドラマづくりがこれからの特撮の課題
CGはどんな画面作りも可能にしてしまう道具だ。だからこそ気をつけなければならない。スタイルは重要だが、逆にその表現のもっているあつみをわざとうすくする必要がある、ということも知っておいてほしい。どうしたらよりドラマチックに展開していくか?人間の心情をいかに描き出していくか?という部分にデジタル技術をもっと用いれば、特撮の未来は開けてくるだろう。

配布資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■STARLOG [JUNE1977 number6 p.19〜25,p.54〜56]
ロバート・ハインラインが語る『月世界征服』企画の意図
■月曜ドラマスペシャル『子どもが消えた』ロケーションコンテ [p.104〜105,p.108〜109]
■録音「ガンマー第三号」の録音を担当して 渡辺義夫 [no.25 昭和43.3]
■録音「ガンマー第三号」のダビングを終えて 渡辺義夫 [no.26 昭和43.5]
■録音「緯度0大作戦」について 藤好昌生 [no.32 昭和44.5]


年内最後となった特撮研究。5回に渡って行われてきた入門篇も、今回で最後の回ともなりました。
2007年からはいよいよ教養篇「知っておきたい特撮映画・TV50選」が始まります。「よくできた作品をとにかくみること!」という池田さんの言葉通り、作品づくりの秘けつをとことん見ていく予定です。
年明け最初の特撮研究は1月15日(月)第六回映画史上の傑作10本とTV10作品(前編)。
入門篇には参加してないけど・・・という方も、ぜひ貴重な特撮作品の数々を見におこしください!
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by smallschool | 2006-11-27 14:41 | ★池田憲章の特撮研究


2007年4月開校までの道のりをつづっていきます。

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