片渕須直ワークショップ
3月3日に行われた、様々なアニメーション手法ワークショップ最終回、アニメーション監督片渕須直さんの回の様子をお伝えします。
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脚本、演出、監督という立場からアニメーションに関わってこられた片渕さんの、絵コンテにこめる熱意が伝わってくる回となりました。

1.コンテとは?
2.1カットにどこまでこだわりを持てるか?
3.絵コンテにおいて、カットはいかにして切られるべきか?
4.試行錯誤は最後まで放棄しない
5.絵コンテは、合作ができる



1.コンテとは?
【continue】続く; 続ける → 【コンテ】
映画とは、カットとカットの積み重ねによってストーリーを紡いでいくもの。前のカットに次のカットをどうつなげるか?を考えるのが、「コンテを切る」という作業。
コンテの始まりは、シナリオをカットごとに線で区切り、カメラの位置やショットサイズなどを文字で描いたものでした。シナリオを線で区切るという行程から、「コンテを切る,割る」という表現が使われるようになったそうです。

2.1カットにどこまでこだわりを持てるか?
絵コンテは、シナリオに線をひくだけでは伝えられない部分を伝えるために作られるもの。
実写映画と違って、作画に多くの時間と労働力を必要とするアニメーションの場合、コンテの段階で、芝居、カメラの詳細な動き、時間、音楽…など実に多くの要素を念頭に入れなければなりません。実写映画が撮影されたフィルムをどうカットしモンタージュするか?というところに始まるのに対し、アニメーションの場合は、1カットの中でどれだけ物事の変化を起こすか?が重要な点となってきます。
■『スネークアイズ』
実写映画。冒頭の15分近いシーンが1カットで撮影されている。このようなカットは、実写映画といえども、アニメーション級の絵コンテがなければできない。

3.絵コンテにおいて、カットはいかにして切られるべきか?
1カットの長さは監督が自由に決めていいことだけど、法則があるとすれば、画面のもつ情報量に見合った長さにすること。アニメーションの1カットに必要なのが情報の充実さならば、1カットは長ければ長い方がいい。しかし1カットには限界がある。ではどこでカットを割ればよいか?
■『夢』1990黒澤明監督 より『トンネル』
片渕さんは、この映画はおそらくカットごとに撮影したのではなく、数台のカメラを使って一気に1シーンを撮影したのではないか?と思っているそうです。役者の迫真の演技を引き出すために、黒澤明はこのような手段をとったのではないか?とのことでした。
実写の場合は、一気にまわしたフィルムをあとから部分ずつ抜き取って、カットをつなぐということができる。でも、アニメーションの場合は、編集後のカット割まで想定した上で絵コンテを切らなければいけない。その力を身につけるには、普段から漫然と映画を見るのではなく、カットを意識して見ること。そしておもしろいカットを見つけたら覚えるようにしておくこと。そうして自分の財産にしていくこと。

また、「最近のTVアニメは、短いカット割でごまかしているだけだ」というような声も聞こえてきますが、反対に「台詞に頼ることで長いカットをもたせているものも増えている」というお話しがありました。最近のTVアニメの世界には台詞だけで十分魅せられるシナリオが出てきていると感じるそうです。では、台詞以外の何を1カットにつめこむか?という部分に、片渕さんはアート・アニメーションの可能性を示唆しました。

4.試行錯誤は最後まで放棄しない
TVシリーズのように、時間の制約があり、チームで製作するものに関しては、製作行程を破綻させるようなことをしてはいけないし、作画にこめたスタッフの意思を尊重することも大切ではあるが、最後までいいものを求める姿勢は崩さない。もしも、それが個人製作ならば、なおのこと最後まで試行錯誤は放棄しない方がいい。

5.絵コンテは、合作ができる
たとえば、ひとつのテレビシリーズを一人の監督がすべて絵コンテを描くのは大変な作業。芝居ができる作画監督に、シナリオから下地の絵コンテを描いてもらうこともあれば、監督が演出を書き込んだ絵コンテに作画監督が、新たに絵を付け加えていくようなこともある。
■『大砲の街』1995大友克洋監督
20分近い本編が1カット1シーンで描かれている。デジタル化の直前に製作されたもので、セルアニメの撮影技法で背景画をつなぎあわせて撮影することでこのような表現に達した。実際にデジタル処理が入っているのは4箇所ほどだという。
片渕さんも製作に参加されています。

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以上、とことん絵コンテにせまった4時間が終了しました。
今回は質問時間を多くとることができ、最後は片渕さんと受講生の方々がよ互いを身近に感じられる交流ができたのではないでしょうか?受講生ひとりひとりの質問に丁寧に答えてくださった片渕さん、本当にありがとうございました!
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by smallschool | 2007-03-07 19:36 | ★様々なアニメーション手法
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