第一回 石上三登志の明るく楽しい日本映画もあるのだ!
2月24(土)に行われた「石上三登志さんの明るく楽しい日本映画もあるのだ!」第一回の様子をお伝えします。
CFディレクターで‘電通の賞男’と冠される一方、60年代から映画、まんが、ミステリ、SF、アニメーションとジャンルを超えた評論活動で知られる石上さん。『漂流教室』『竹取物語』の脚本も担当されています。その多彩な立場から、現在は手塚治虫文化賞、毎日映画コンクール…などで審査員も務められています。
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日本映画には重くて暗いというイメージがあるが、決してそんなことはない。日本映画には明るくて楽しいものがたくさんある!
なぜ暗いイメージが強いのか?日本という民族の背負っている歴史もせいかもしれないが、そのような重く暗い作品の方が評論しやすい、ということも原因のひとつである。明るい、楽しいものは語りづらい→評論家が避けたがる作品になってしまいやすい。




<第1回>『鴛鴦歌合戦』からはじめよう

『社長と女店員』1948年
1954年に公開されたものと1948年に製作されたこのSP映画と、ともに作曲者は伊福部昭さん。2作の知られざる関係について一言。なんと伊福部さんは48年から54年にかけて85本もの作品を手がけていたというから驚き。

映画音楽というのは、他の音楽とは決定的に違うものがある。
それは、かならず音楽単体で成立させるために作られたものではない、ということ。

『鴛鴦歌合戦』1939年
監督 マキノ正博
出演者 片岡千恵蔵、服部富子、志村喬
台詞を曲のように歌い上げた作品。本職の歌手は、出演者のうち二人だけで、あとは日活の役者に適当に歌い役を頼んだものだった。ここで志村喬さんの歌に着目したのが黒澤明。
公開当時、たった二人だけこの映画を評価した評論家がいた。音楽についての評論を書くというのは大変な作業だ。音楽の話を活字にする難しさ。
実に多くの作品を生涯に残したマキノ監督だが、小国英雄さんのシナリオと組んだときに格別な面白さをもつようになる。

『酔いどれ天使』1948年
『鴛鴦歌合戦』から志村喬を見出し、この作品を作ったということから、黒澤明が音楽にも強い人だったことがうかがい知れる。同作品に登場する「ジャングル・ブギ」では作詞を黒澤明、作曲を『鴛鴦歌合戦』の服部富子さんの兄である服部洋一さんがしている。『酔いどれ天使』の中核にある歌!
もっと映画の楽しい部分を見よう。そうでなければ映画はいつかなくなってしまう。

映画とテレビの違い
映画とテレビは映像を写すといった点では同じこと。でも、映画はテレビと違ってパーソナルでは成り立たない。エジソンとリュミエール兄弟は、ほぼ同時期に映像装置を発明したけれど、エジソンが作ったものは、一人の人間が覗き込んで楽しむもの。対してリュミエール兄弟の発明は大勢の人々が大きなスクリーンを見て一緒の時を過ごすというものだった。だから興行としての映画は、リュミエール兄弟から始まった。
大勢の人が一緒に見る映画は、つまり大きな画面で見ることが前提とされ、作られる。
ひとつの指針として。
もしもテレビで映画が放送されていたとしよう。役者の顔がクローズアップで映された時、自分がテレビの横に並んでみて、自分の顔よりも役者の顔が大きければ、それは映画と呼べる。小さかったらたとえ放送されているものが映画であっても、それを映画と呼ぶことはできない。
いま映画やテレビを作っている人々は、はたしてこの違いを認識したうえで映像を作っているのだろうか?

本当は欠陥商品だった
トーキー映画よりもサイレント映画の方がより優れていたという人がいる。
カラー映画よりもモノクロ映画の方が色を感じられたという人がいる。
サイレント映画もモノクロ映画も、本来あるものがない‘欠陥商品’であった。欠陥をいかにカバーするか?の創意工夫が映画を面白くしてきた。


はらひろし作品集
『わしゃあサンタだ!1/2/3』
『わんぱく玉子の大蛇退治』
『歯を大切に』
『セメダインボンド』シリーズ
『ミスターボンド』(セメダインボンドシリーズからNHKのプチプチアニメで放送用に作成)
本業は歯医者だというはらひろしさんの作品は、どれも笑い、ユーモア、ギャグ、疾走感にあふれる!『セメダインボンド』シリーズには、本物のジェームズ・ボンドファンが納得してしまうんだから。

「アニメ独特の誇張というのはギャグに直結するという見方が私は一番好きです」と言う石上さん。この国(日本)はギャグに乏しい。昔のテレビのバラエティ番組がギャグという点に関してもっとも優れていたのではないだろうか?例:『夢であいましょう』『ゲバゲバ90分』

そして『MURDER』(和田誠)を見よ!

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次回<第2回>たとえば『暗黒街の対決』と『野獣の青春』は、シナリオがいかに大事か?というお話です。
3月10日(土)アート・アニメーションのちいさな学校地下劇場にて。
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by smallschool | 2007-02-26 16:32 | ★特別講座
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