第八回 池田憲章の特撮研究
第八回のテーマは「映画的な特撮の考察」です。

「映画的な特撮」とは、映画を成立させるための特撮と、池田さん。
今回は様々な作品について触れながら、映画と特撮の多様な関係について
お話して頂きました。当日の話のなかの断片をメモがきにしました。

『詩人の生涯』
  • アニメーションが技法を選ぶときのテーマとの密着感は普通の映画ではなかなかたどり着けない域に達したものである。
  • 安部公房の作品は輪廻性のように、始まりと終わりが不思議な形で閉じている面白さがある。それは特撮世界が壁にぶちあたったとき、力を貸してくれるものでもある。

『市民ケーン』
  • 導入部は随所に合成とニュース映画風にしたてたフェイクがちりばめられ、何が現実で何がそうでないのかわからない趣向。公開当時、どうやってつくられたのかとプロの撮影者達から注目された。




『レベッカ』
  • ヒッチコックがアメリカに乗り込んだ最初の作品。
  • 『市民ケーン』に似たような手法をつかいながら、さらに巧妙なミニチュアレベルでの設計の妙。

『蜘蛛巣城』
  • 特筆すべき稲光:監督の要望により1.8mある特種電球を作り、道の各所に置き一斉に光らせることによって実現した。
  • アクション繋ぎ(カメラのスピードの違い)でロケ地とスタジオ撮影を繋いでいる。

『宇宙戦争』
  • 円谷英二がライバルとして尊敬していた監督、ゴードン・ジェニングスの作品。
  • 戦いのシーン セット全体にパースをつけ奥行きを出している。

『禁断の惑星』
  • MGMのトップカメラマンによる素晴らしい画。
  • ・地球の宇宙船のデザインライン、ワープシーンの円筒は『スタートレック』の転送装置のイメージに影響を与えたといわれている。

ミクロの決死圏』
  • ダリからイメージをもらったという体内デザインは必見。 

『白痴』
  • 炎の色調整など完成度が高い。
  • 未だ戦争が終わらない世界を描いたアナーキーな作品。

『夢で逢いましょう』
  • CGや合成を使わないからこそこの作品はおもしろい。とくに、8mmならではの特撮も後半にある。
  • 漫画家のひさうちみねおさんが衣装デザインなども手掛けている。

『怪奇大作戦/京都買います』
  • TV作品ではめずらしい魚眼レンズによるスペシャルエフェクツ、ベビークレーンなどを使った撮影。
  • みわこが仏像へと変わる最後のシーンでは色彩によって異界を作り出している。


特撮と本編がいかにもパラレルな世界を作るのではなく、特撮シーンを用意するために本編側がカットを増やさずに限定されたもので作っているということを頭の片隅に置いてほしい。

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いよいよ次回2月26日〈月)は、5回にわたってお送りしてきた教養篇の最終回「円谷英二の特撮宇宙」です。憲章さんが「特撮の神様」と謳う円谷英二の選集10本!前回と同様にアート・アニメーションのちいさな学校地下劇場にて行われますので、お見逃しのないようにお越しください。

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今回は、管理人なっちゃんが風邪でお休みだったので、代理として私スタッフHが書きました。
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by smallschool | 2007-02-16 19:17 | ★池田憲章の特撮研究
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