石之博和ワークショップ
1月13日(土)に行われた様々なアニメーション手法ワークショップ石之博和さんの回の様子をお伝えします。

13:00 〜 15:00 石之博和作品製作裏話
15:00 〜 15:30 休憩
15:00 〜 17:30 ワークショップ
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子供の頃はテレビアニメの放映がまだ始まっていなくて、目にしたアニメといえば、ディズニーのワンワン物語や、トムとジェリー程度。アニメよりも手塚治虫のマンガに夢中だった。特別絵が上手な子供というわけではなかった、という石之さん。アニメーションの道を志したのは、やはり手塚治虫の影響で、虫プロダクションに入りたい、という気持ちからだったそうです。



■『アリとキリギリス』
虫プロに入るためには、まず美大に行こう!と武蔵野武術大学の洋画コースに通いはじめた石之さんは、そこで友人達と共にマンガ研究サークルを立ち上げました。このマン研仲間で2年生の時に製作したのが、およそ15分の8mmアニメーション『アリとキリギリス』です。各人がパートを担当し、それを石之さんがチェックするという、プロダクションと同じ構成で作られたそうです。
アニメーションの制作経験者が誰もいない中で、たった1冊の本を参考に作られたとのこと。石之さんが、アニメーションの技法に関して独学で学んだことは、この時の1冊の本が全てだそうですが、サークルに集った学部を超えた交流の中で、友人・知人からも多くのことを学ばれたそうです。

■『コプト聖歌』
市販されていたレコードの曲にあわせて作った自主製作。コプトとはエジプトの古い町。8mmでフェードイン・アウトができるようになった頃で、それを多用してみたとのこと。

■『あらいぐまラスカル』
卒業の年、念願だった虫プロダクションが潰れてしまい、石之さんはその後身となるタツノコプロに入社することになります。ここで、ガッチャマンや、破裏拳ポリマーの動画を担当。その後は“トランスアーツ”の作画部で『あらいぐまラスカル』の原画を担当するようになります。
この頃、先輩のサカイさんの描く絵を見てレイアウトを覚えたりしたそうです。

「動物を描くのと人間を描くのとでは違いがあると思うのですが…どうやって動物の描き方は学ばれたんですか?」という質問に「骨格さえちゃんとつかめていれば結構描けるものなんですよ」とのこと。本や動物園、子供の頃から家で飼っていた犬を観察するなどして、自然と動物の骨格が頭の中に入っていたそうです。

■『ことばあそび』
NHKで放送された谷川俊太郎さんの詩にアニメーションをつけた石之さんの演出作品。

■『マペットベイビー』
セサミストリートの蛙のカーミットと豚のピギーの赤ん坊時代をアニメーションにしたもの。ジム・ヘンソンと東映が組んだ作品で、実写の合成にも遊び心が感じられる秀作だったが、日本では放送されなかった。アメリカからの指示をもとに作画。アメリカのアニメはフレスコ(声を先に録音し、口の動きを合わせて作画をする)が基本なので、タイムシートに英語の発音の口の形まで細かく指示があったとか。東映の古株スタッフと一緒に楽しんでやれた作品。
[蛙のカーミットがカーペットとなっておりました。大変申し訳ございません。2007/2/11修正いたしました。]

■『まんがイソップ物語』
作画監督として担当したシリーズ。放送枠の変更という荒波にもまれながらも、話によってデザインをかえたりと、各話ごとに個性の溢れる作品ができたそうです。

■『サイキンポンタ』
トランスアーツのパイロット版として作られたもの。その後、NHKのプチプチ・アニメーションで放映されることになりました。脚の数が3本だったり4本だったりするポンタ。「ポンタの脚の数って決まってないんですか?」とお聞きしたら「そうなんです。そこのところは適当にしてるんです」

■『アリア』エンディングムービー
本編とはほとんど関係なく、昔のものっぽく作ってほしいという要望に対し、自主製作だと思って取り組まれたそうです。

以上、石之さんが関わった作品の一部をお話とともにみせてもらいました。
『ペリーヌ物語』『ハイカラさんが通る』の原画、『釣りキチ三平』『トム・ソ−ヤの冒険』の作画監督など、実に様々な作品に石之さんは関わってこられましたが、今回は参考にもってきてくださった原画の中には、なんとあの森泰二さんの原画までも入っていました!

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休憩を挟んで後半は教室に移動してのワークショップです。

今回の課題は2つ。
まずは宿題となっていたパラパラマンガの製作です。
もうひとつは、キャラクターの設定表(前、横、後or斜前からの立ち姿のみ描かれているもの)を見て、そこから
1.歩いているポーズ
2.走っているポーズ
3.座っているポーズ
4.自由ポーズ
を描くというもの。
宿題のパラパラが終っていない人は続きを、終えてきた人はキャラクターのポーズの作画に取りかかりました。
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講評の時間。
まずは1人ずつのパラパラマンガをめくっての講評です。
「ノートの隅という概念からなかなか抜けだせていないものが多いかな。もっと大きいノートを配ればよかったね」
手軽なパラパラマンガですが、可能性を追求していったらとても広い世界に出会えるのかもしれませんね。

そしてキャラクターのポーズの講評です。
こちらはプロダクションなどで実際に行われている作画のテストのひとつだそうです。
キャラクターが似ているか否かはそれほど重要では無く、
1.骨格を意識した作画ができているか?
2.画面の中にどのような配置をするか?
の二点で、即戦力になるかどうかを見るテストだそうです。

石之さんが実演してくださった作画の様子はサラサラと鉛筆が動いて、まず最初に骨格が描かれ、その上にじょじょに肉付けしていくという方法でした。生物を描くのに、骨格がどれくらい重要なのか?改めて実感しました。


とても優しくておとなしそうな印象の石之さんですが、好奇心に溢れ、常に周囲の人や環境から何かを学び取ろうという姿勢を大切にしていらっしゃるのが、今回のワークショップでよく伝わってきました。
どんなに忙しくても、2日に一度しか家に帰れないような日々が続いていた時でも、こっそり抜け出しては上映会などには足しげく通っていたそうです。「やっぱり観察が大切かな」という言葉が最後まで耳に残るワークショップとなりました。

さて、次回の様々なアニメーション手法ワークショップは1月20日(土)古川タクさんの回です!驚き版で有名なタクさん、最近は某ドリンクのCFでもすっかりお馴染みですね。「受講生と話ができる場にしたいな」と、タクさん。どんなお話が聞けるのか、とても楽しみです。
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by smallschool | 2007-01-13 12:33 | ★様々なアニメーション手法
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